あの日(のためのプロット)


その眼がいつから自分を見ていたのか
気がついたときにはいつもいっしょだった

お兄ちゃんという言葉を知ったとき
お兄ちゃんなんだと
何となくそう思った

怖いなんて思ったことはなかった
やさしい目だった
そして、ときどき、悲しそうな目だった
いつもいっしょだった

誰にも言っちゃいけない
言ったらダメなんだってことは子供心にわかった
大人の反応を悟るような、言われなくてもわかる子だった

いつも見ていてくれた

ひっこしの日
お兄ちゃんと遊ぶ

お別れ

泣いてしまう

パパとママは仲が悪い

お兄ちゃんがおでこに触れると
お兄ちゃんの思念が入ってくる
パパとママの若い頃
恋愛時代を見せられる

パパとママなの?

にこにこと笑顔でうなずくお兄ちゃん

お別れなの?

首を横に振るお兄ちゃん

これからも一緒?

また、にこにこと笑顔でうなずくお兄ちゃん

指切りげんまん

(水子の霊、あるいは、ざしきわらし)